<ePub>『剣道と信仰の架け橋—短歌』

『剣道と信仰の架け橋ー短歌』

(短歌誌『ちぬの海』 2009年3月号(No.234 より)
                         井草晋一

有備無憂_1976
 
剣道の奥義を現す、いくつかの古歌があります。

  山川の瀬々に流るる栃殻も身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあり
  打ちおろす太刀の下こそ地獄なれ踏み込んで見よ極楽もあり

   (『剣道みちしるべ』 範士 佐々木季邦 著 より)
        (剣道範士九段・全日本剣道連盟相談役)

 「これらは共に捨て身の一撃に気魄を充実させることを意味したものである。」と、佐々木季邦(ささき・すえくに)師範はその著書『剣道みちしるべ』に記しています。
 今から三十五年前、佐々木師範は喜寿の祝いを迎えられていました。我々二十歳前後の剣道部員たちが必死で打ち込んで行く訳ですが、竹刀は空を切るのみ。すべての打突に応じ、いささかも息の乱れも無く、確かな一撃をもって指導される先生の姿がそこにありました。

 冒頭に記した歌は、練習を終えた後の訓話や夏の合宿の折りに、佐々木師範がご自身の姿と言葉をもって紹介されたものです。私にはその中の一節、「身を捨ててこそ」の言葉が特に心に響きました。
当時、私はキリスト教の洗礼を受けて間もない頃でした。この「身を捨てる」という一節は、「愛とは、他者のために自らの命を捨てることにある。」と語り、そのごとくに十字架への道を歩まれたイエス・キリストを思い起こさせるものであったのです。

 四年間の会社勤めの後に神学校に入学。卒業後、大阪の下町の教会に副牧師として赴任しました。大阪城が近かったこともあり、時々、大阪城内の道場である修道館に練習に行きました。三年間の働きの後、加古川市の教会に転任。
一九九二年頃より、教会員宅で開かれていた「ちぬの海短歌会」に誘われて参加するようになりました。伊藤佐重子先生のご指導を受けながら詠んだ短歌(五首)を初めて掲載して頂いたのが、一九九二年十一月号の「ちぬの海」で、「藤田恒男先生追悼号」でした。

  受難曲「知っているか」と我に問う上司を思う御巣鷹の夏
  工作にと息子と作るブーメラン廻り来たりし歳月の風

 佐々木師範のご指導を思い返し作った歌。

  心もて心を打てと諭したる円座に響く師範のことば
  力抜けと言われ続けし右の手の痛めて悟りぬ剣の軽さよ
  我が手取り剣の握りを伝授せる師範を想う礼の一時

 一九九五年四月からは、川西市北部の「能勢川バイブルキャプ」の中にある能勢川キリスト教会で、イエス・キリストに仕えています。

  真剣の反り思わせる白樫の枝削る我歪みも悟れり
  両腕に赤子を抱く構えせよクリスマスに聞く師範の一言
  戦いの意欲取り去る剣の道剣を鞘にと我も覚えて 
  「一刀両断」求め来たりし我に問う戦闘能力奪う剣あり

 私の心の中には学生時代も今も、剣道の神髄とキリストの愛の精神が「短歌」を架け橋として繋がっているのです。

  自らを守りし剣も捨てし主の御姿仰ぎ我も後行く
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『剣道と信仰の架け橋短歌』

「IDPFコンファレンス」に参加して

東京ビッグサイトでの「国際電子出版 EXPO」の「国際電子出版(IDPF)フォーラム」、国際講演と「IDPFコンファレンス」に参加して来ました。
http://www.bookfair.jp/ja/

IDPFコンファレンス_2012

高崎市の実家(母:85歳)での生け垣の剪定と、7/4(水)の「IDPFコンファレンス」を終えての深夜の帰宅で、ちょっとハードな二日間(7/37/4)でした。
東京ビッグサイトでは、7/5(木)からが「東京国際ブックフェア」開催です。
9:30AM から秋篠宮ご夫妻を迎えて「大テープカット」があると「IDPFコンファレンス」の会場でも案内がありました。
TVのニュースでご覧になった方もおありでしょう。)
ビジョンと可能性のある所には、積極的な取り組みがあり、新たな活力が生まれていることを実感しました。

<日本経済新聞>
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK04021_U2A700C1000000/

7月4日(水)に行われた、「IDPF コンンファレンス」の実践事例を中心に概要を記します。
今後の教会やキリスト教会全体、キリスト者としての文書伝道の新たな可能性について、ご参考になれば幸いです。
また、電子書籍(ePub 3)の発展に貢献されている皆様のお働きの祝福を祈ります。

*以下の内容は、インターネットや電子書籍に関する、専門的(技術/企業戦略など)な内容もありますので、あまり興味のない方は、<パス>してください。

グーテンベルクにより最初に聖書が印刷された出版革命によって宗教改革が起きたように、電子書籍による新たな出版革命により、聖書や信仰書、証し、メッセージ集などの電子書籍の出版を通して、「第二の宗教改革」=「初代教会の復元」が始まるでしょう。

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7/4(水)の午後の講演会<カンファレンス(3)>の冒頭で、田代 [(株)集英社 デジタル事業部 部長代理] は、「グーテンベルクにより最初に聖書が印刷され聖書が家で読めるようになり、その結果、宗教改革につながり社会の大変革が起きましたが、同様の変化が、今、起きていることを痛感している。」と「Conference 3」の冒頭で触れておられました。


<<コンファレンスでのポイント、関係者の見解>>

昨年の10月に制定された、に日本語(縦書き、ルビ、禁則処理、他)などのアジア言語に対応した、電子書籍のフォーマット「ePub3」(マルチメディア対応)が、今後、日本の電子書籍の「標準」となっていく。

1. 2012
年が電子書籍(ePub3)の<元年>となる。

2. Sony
、楽天、その他、各出版社も、ePub3 で対応。

3.
楽天では、7月末から電子書籍の端末、「kobo」を販売。(カナダの kobo社と資本提携)世界最大級の「kobo イーブックストア」をオープン予定。

4. Sony
は、2008年より ePub2 対応リーダーを世界に先駆けて販売に取り組み、2009年には ePub2 に全面切替し、ePub2 の成熟に貢献した。(海外で標準となった)
 なぜ Sony は、自社の電子書籍のフォーマットを捨ててまで、ePub2;3 なのか
  ---> WEB技術を採用したオープンスタンダードであるから。
 ( 電子書籍用端末:Reader;  携帯:XPERIA;  タブレット:Sony Tabret

5. PC
(パソコン)で電子書籍が読めるアプリ(Google Chrome、など)は幾つかあるが、「Readium」を今後、オープンスタンダードとして推進していく。
 <参考>
 http://www.publickey1.jp/blog/12/epub_3readium.html
 http://readium.org/

6.
講談社など、各出版社は、今後新規書籍などの出版については、「紙」と「電子書籍」の出版を同時並行的に行う。(相互補完的)

7.
売り上げベースでは、4〜5年前に電子辞書が紙の辞書を抜いた。

8.
日本からは、アニメ(マンガ)が電子書籍の形でます最初に、世界に配信(輸出)されて来たが、日本の文学レベルの高さ、また、日本の文学レベルを全世界に輸出できる、千載一遇のチャンスである。

9.
電子書籍のマーケットの拡大は、コンテンツの中身(内容と質)が大切。
 有料コンテンツの十分な<つくり込み>が必要。
 電子書籍は誰でも作れ、配信できるというメリットがあるが、コンテンツに対して「対価」を払い、コンテンツが売れる仕組み、お金が回る仕組みが必要。

10.
電子書籍の読者(一般消費者)にとっては、ePub などのフォーマットは、まったく関係がない。
 (無関心) それゆえ、中身が大切。
 すばらしい技術は、読者(使用者)に技術を意識させなくなるもの。(例:自動車)
面白いコンテンツ、面白い小説、面白い本などの電子書籍(ePub)の出版が重要。

11.
通商産業省は、書物などの早急なデジタル化を推進している。

12. Apple
ePub の推進を担って来たが、改めて Apple ePub3 の推進の中核を担ってもらいたい。(質問/要望)
 < IDPF事務局長:ビル・マッコイ氏の返答>
 Apple は、現在もアクティブなメンバー。 昨年の10月末に ePub3 形式が決まった時には、すでにアップルは、教師が授業で使う独自の教材を作り上げることができる Mac用エプイン "iBookのオーサー(iBooks Author)を公開していた。(独自に拡張した iBook 形式を使用。)
今後も、更なる協力関係を進めていく。



以上です。

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